これが稲妻だ
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久しぶりの今山、勤務を終え今山に行ったのは午後の四時、釣り場には誰もいない。土曜日というのにこの状態では期待は持てそうもない。しかし憎いアオサは腐って流れたのか、石にはほとんど付着していない。これなら釣れると勇んで身支度をする。 オトリ缶からオトリを出そうとすると、なんと二匹のオトリが白い腹を返しヨタヨタの状態、「しまった 水温が」と悔やんでももう遅い。釣具店で買った時の水温と、日照りで水温が上がっている川とでは差がありすぎた。八月なら注意もするが、まだ七月、うっかりそのまま川に浸けてしまっていた。今からオトリを買いに行くのもめんどうで、元気そうなのを稲妻にセットするが、足元で腹を返して横たわっている。鰓が動いているので死んではいない、仕方ないので瀬肩のチャラへ空中飛行させ、オトリの瀬ヒレが見えるような状態で引き回すことにする。 こんな時は「稲妻」の威力が発揮される。泳がそうと糸を緩めると白い腹を返し寝ているのが見えるが、上流に強く引けば一瞬白い腹が消え泳いでいる感じ。まるでルア−を引いているのと同じ。稲妻の発想はルア−から来ている。ルア−の支点と稲妻の支点は背中の同じ位置にある。ルア−は無機質な個体にすぎないが、稲妻のオトリは少なくとも生きている。ルア−よりは良いはず。鼻環なら水面に浮いてしまうが、稲妻は瞬間的にでも潜る。この僅かに潜る瞬間に期待して繰り返していると、数分後、ガツンと強いアタリ、「来た これが稲妻」こんな時は格別に嬉しい。 瀬の中を走る背掛かり18cmに嬉しい悲鳴。慎重に取り込み、元気なのを泳がすとすぐにガツンと二匹目、「いるじゃん鮎は」と言いながら続いて三匹目が強烈なアタリ、渇水のチャラ瀬を走る背掛かり鮎は22cm。これなら爆釣と思ったのが運の尽き、あとは釣れないいつものパタ−ン。 鮎が見えない、根掛かりに立ち込んでも走る鮎がいない。これでは数は望めない。しかし鮎はなんとなく掛かってくる。「釣った」と言うより「釣れていた」と言う感じ。その後チビ鮎2匹と18cmを3匹で合計8匹。2時間で8匹なら良いかも知れませんが、明日再び釣行しようとは思わない釣味のない日でした。今山は渇水が進み、大水が出るまでこんな状態が続くでしょう。 明日、どこに行こう? 1時間に1匹の我慢を覚悟して上勝かな。上勝は鮎が見えるだけでも眼の保養になる、少なくとも今山よりは釣味があるように思える。と言うことで明日は上勝に決定。釣れなければ月が谷温泉にでも浸かって帰るさ。明日から8月末まで長い夏の始まり、こんな日もあるだろう。 今日の釣果は明日のオトリに飼っているので写真はありません。明日に僅かな期待を寄せて、肴なしのビ−ルです。ビ−ルは苦いが、ヨタヨタのオトリで釣った最初の一匹だけが脳裏に残り、苦さを和らげてくれます。 |